HRD株式会社 - Human Resource Development

2021.5.18 事例紹介

いま、人材育成・研修のプロフェッショナルに求められること
求められるのは「地方局のラジオパーソナリティのスキル!?」
オンライン研修に対応するプロフェッショナル3社による知見共有
株式会社健育社様/株式会社ウィルコネクト様/株式会社メンター・クラフト様

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HRDグループが主催するアセスメントフォーラムオンライン2020の中で、具体的なアクションを伴った再出発を考える「ReStart」。今回は「いま、人材育成・研修のプロフェッショナルに求められること」というテーマでお届けします。2020年は企業の人材育成も、COVID-19の影響を大きく受けました。研修の場所が教室からオンラインに変わっただけでなく、学びそのもののあり方も大きく変化しています。そこでこの度、人材育成のサービスを提供するプロフェッショナルの立場である3社によるパネルディスカッション方式で、その最前線を共有していただきました。モデレーターはHRDグループの久保田です。

 

 

☆ゲストスピーカーのご紹介☆
 
河野 貴史 氏

株式会社メンター・クラフト
常務執行役員

川崎製鉄(現JFEスチール)で新素材の材料設計・製造プロセスの研究開発に従事。同社在籍中にMBA(Bond University, Australia)取得。現在は、管理職から中堅社員クラスへのマネジメント研修をはじめとして、 ロジカルシンキング、コーチング等幅広く研修を担当。特に技術・研究者向けにイノベーションを起こしやすくするロジカルイノベーションや、コミュニケーション技術、また技術者のためのロジカルプレゼンテーション、エクセルを活用したビジネス統計分析等。

 
今 聴夫 氏

株式会社ウィルコネクト 代表取締役

株式会社リクルートにてデジタルコンテンツ配信プラットフォームの開発、オンラインゲーム会社の設立、新規事業開発部マネジャーとして情報誌のオンライン化の責任者として従事。2008年より株式会社ネクスト(現株式会社LIFULL )にて経営企画部長、人事部長に従事し、新規事業戦略の策定、人事制度改革や社内大学の立ち上げを行う。2012年、株式会社ウィルコネクトを設立し、企業研修の企画運営、研修プログラムのオンライン化の支援、経営・人事コンサルに従事。米国CTI認定プロフェッショナルコーチ。

 
畑川 郁江 氏

株式会社健育社 代表

外資系製薬会社学術部⾨、マーケティング部⾨勤務の後、2006年9⽉株式会社健育社を設⽴、医療⽤医薬品に関連する雑誌・記事・論⽂、製薬企業の資材原稿作成業務に従事。オンラインによる情報提供活動のニーズから、オンラインMRのためのコミュニケーション研修を開始。アナウンサーと共同で「声を届ける」発声の基礎から、オンライン情報提供の組み⽴て⽅、対話スキルなどを提供。

 

コロナ禍によって人材育成の現場に起こった変化と新しい研修様式(メンタークラフト様)
 

久保田:リモートワークやデジタルトランスフォーメーションが浸透していく中、密を避けるあまりに人との心理的距離まで遠ざけてしまうのは、本来のあるべき姿ではありません。より良い成果創出のために、人事や人材育成のプロフェッショナルとしてどのように支援できるのか、今は立ち止まる時ではなく、それを考えるタイミングだと思います。まずは、新型コロナによって集合研修を選択できなくなった人材育成の現場で何が起こったのか、そしてその状況に対応する新しい研修様式について、まずはメンター・クラフトの河野様にお話をいただきます。

 
 

河野:メンター・クラフトの河野です。よろしくお願いいたします。まずは、新型コロナ発生以降の経緯をご説明します。2020年の1月頃から新型コロナが流行し始め、4月以降になると集合研修はほとんどなくなってしまいました。その後、夏前からオンライン研修が増え始め、オンライン研修の比率が全体の8割を占めるようになりました。オンラインでの研修に取り組み始めた当初は、知識も設備もなくノウハウも蓄積されていなかったので、どうすればいいのかわからず非常に戸惑いました。何もないところで自分たちはどうするのか、お客様にどう対応するのかと非常に悩みましたが、「とりあえずやってみよう」とエンジンをかけたのが2020年3月、4月の頃のことです。

オンライン研修でも集合研修でも、最終的な狙いはどちらも同じです。お客様の経営、人事、ご担当者が考えられている「組織や人材がこのようになってほしい」という目的がありますし、受講者自身が「このスキルを身につけたい。もう一歩成長したい」という思いがあります。それに対して私たちがどのようにして応えられるか、そこが非常に大事なところです。

私たちが大事にしているのは、学びに対してワクワクドキドキすることです。「もっと学びたい、もっとこれを出来るようになりたい」と意欲的に取り組んでいただけるよう、研修を設計しています。具体的には、講師から伝える部分(インプット)を3割、みなさんでディスカッションをして気づきを導き出す部分(アウトプット)を7割としていますが、それをオンライン研修でどのように実現するのか、明確な答えはないながらも、お客様と共に考えながら実行していきました。

出典:株式会社メンタークラフト
オンライン研修で重要な「ディレクター」という存在

河野:オンライン研修で非常に重要なのは、受講者のサポートです。初めて受講する方は「このオンラインソフトはどう使うのか」「どのような機能があり、どのようなことが起こるのか」「普通にログインしてただ受けていればそれでいいのか」と心配する場合があり、そのソフト自体のトレーニングの必要があります。研修の当日にトレーニングすることもありますし、事前にお客様のほうでトレーニングしていただく場合もあります。事前にお客様やエージェントさんと打ち合わせをして設備や状況などの環境整備をしてから入ります。

オンライン研修では、現場対応も重要です。集合研修の場合は、現場で何かが起こったときにも講師が見ているので、その場で受講者と話をしたり事務局と連絡を取り合ったりして対応することができます。しかしオンラインでは、直接対応することはできません。そのために必要なことはいろいろありますが、まずは「ディレクター」の存在が重要になります。例えばZoomで研修を実施しているときに、「画像が映らない」「音声が途切れた」「画像が止まった」「Zoomの部屋から追い出されてしまった」などのトラブルが発生します。それに対して、迅速かつ冷静に対応できる人が必要です。その人は研修内容を知っている必要があり、講師がやりたいことの意図もわかる、そしてオンラインソフトがどのような仕組みで動いていて、どのトラブルのときに何をすればいいのかをきちんと理解しているなど、とても高いスキルが求められます。このようなディレクターは、あらゆる運営システムにおいて欠かせません。

久保田:実際に、ディレクターはどれくらい確保できていますか。

河野:基本的には弊社の中で確保するようにしています。お客様によっては、自社の中にディレクターがいるからやらせてほしいという場合もありますし、エージェントさんにサポートをしていただく場合もありますが、比率で言うと、弊社側で対応するケースが多くなっています。講師の意図をしっかり理解し、スピーディに対応する必要があるので、仮に外部の方がされるとしても、事前にしっかり打ち合わせをしないと意思疎通が難しいと思います。

初期の頃は「必要なものをそろえてとにかくやる」という状況でした。オンライン研修に必要なのはパソコン、ソフト、通信回線です。オンラインでもライブ感を出したいと思っています。テレビのように一方通行ではなく、相手の反応を見てこちらも発信を変えたいので、ホワイトボードの実物を自分の後ろに置いて、書きながら受講者に話しかけたり、場合によってはパワーポイントの上やオンラインホワイトボードに書いてみなさんから意見を募ったり、とにかく行ったり来たりを行います。

オンライン研修と集合研修では、どちらを選ぶべきか悩むお客様もいらっしゃいます。迷われたときには判定表を使い、どちらを選ぶか判定していただくようにしています。この判定表は弊社のホームページに載っています。これをたどっていくと、必要な条件や備品、キーワードも出てきますので、ぜひ参照していただければと思います。

出典:株式会社メンタークラフト

オンライン研修の場合、インタラクティブな時間が必要である一方で、参加者の表情が読み取りづらいため、講師側のファシリテーションスキルに加え、プログラム自体も変更する必要があります。理解を深めるために、基本的に時間をかけて行う必要があり、集合研修と比べて2割ほど中身を減らすのがベターです。また研修当日も丁寧にインストラクションをして、相手からの反応を受け止めて、それにリアクションをすること、そして突発トラブルにも落ち着いて対応することが大事です。

久保田:河野さん、ありがとうございました。では次に、バーチャルでの人材育成のメリットとデメリット、さらには今後の人材育成のあり方について、今さんからよろしくお願いいたします。

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