HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

" グローバル人事 " に関する記事
2022.4.22 EVENT

個のキャリア自律が組織の未来を創りだす
–海外駐在員のキャリア開発から学ぶ人材マネジメントのこれから–
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM3 Day2_Session2』

パンデミックとデジタル化の加速によってビジネスの在り方や市場のニーズが変化する中、働く個人には、これまでのビジネススキルをアップデートしたり、全く新しい領域のビジネススキルを獲得するといった、アップスキル、リスキルの必要性が高まっています。また、終身雇用の終焉によって、企業組織と個人の関係性もこれまでと大きく変化していく中で、働く個人は、自分自身の働く意義をどのように見出し、そして自律的なキャリアをどのように描いていくかについての責任を持つことになります。

本セッションでは、キャリア開発にフォーカスを当て、2名のゲストスピーカーと共にその本質に迫ります。 いま、働く全ての個人は、どのようなキャリア観を持ち、自己を開発していくべきなのか?また雇用側である企業は、個々人のキャリア開発実現のために、どのような人材マネジメントの仕組みを上積みし、マインドチェンジを果たさなければならないのかを考察していきます。モデレーターは、HRDグループ・プロファイルズ株式会社ディレクターの福島竜治が務めます。

セッション動画はこちらよりご覧いただけます。

 

目次

 ◇ゲストスピーカーの紹介◇ 

 <前編>
KDDI版ジョブ型人事制度
グローバル人材強化のための赴任前研修と人材アセスメント活用
海外赴任者の成否を分けるキャリア観とは?

 <後編>こちら
コンフォートゾーンに安住している日本の弱み
“Like”より“Able”
「自己の相対化」はキャリア観を醸成する
学びへの好奇心、混乱に飛び込む勇気

 

◇ゲストスピーカー◇
 

KDDI株式会社
ソリューション事業企画本部 海外事業推進部マネジャー
武井 章氏
(Takei Akira)
法人事業部門において、営業、海外事業企画、合弁子会社設立を経て2015年から人事、組織開発、人財育成、評価を担当し、特に海外グローバル事業人財の育成、キャリア開発支援を推進。現在海外現地法人社長のHRBPであり、また海外出向者へのProfileXTを用いたキャリアコンサルタントとしても活動している。

グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社
代表取締役
福田 聡子氏
(Fukuda Satoko)
ウィスコンシン州立大学卒。 大学卒業後人材育成の会社に入社し、新人賞をとるなどして活躍するも、バブル崩壊に伴う業績悪化で他業界に転職。そこで、自分が人材育成の仕事が好きであることを再確認し、業界に戻り本質的なグローバル人材育成への興味を深める。 2000年独立、以来、講師、コンサルタント、経営者としてクライアント400社のグローバル人材育成を支える。 各分野のプロフェショナルとの協働の中で一つ一つ目的に基づいた企画・運営を重ねることで、参加者の人生に大きなインパクトを与え「あの研修なしには今の自分はいない」と言っていただくことが無上の喜び。 常に顧客の視点に立ったコンサルティング、個々の研修参加者のキャリアを考えてのアドバイスなど、その情熱あふれるスタイルは顧客から高い評価を得ている。

モデレーター
HRDグループ・プロファイルズ株式会社
ディレクター
福島竜二 (Fukushima Ryuji)

<前編>
KDDI版ジョブ型人事制度
          KDDI株式会社 ソリューション事業企画本部 海外事業推進マネジャー 武井 章氏

まず、福島がグローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ社(以下、グローバル・エデュケーション)がプロファイルズ社のパートナー企業として「ProfileXT(PXT)」を、KDDI社のグローバル人材の育成や見極めに活用しているという三者の関係性を説明、謝意を表明した後に武井氏のプレゼンテーションに入りました。

武井氏は、KDDI社の通信事業をベースとした個人向けおよび法人向けの事業セグメントに触れた後、自らが担当する、世界25地域・58都市・79拠点に2,200名を擁しているグローバル拠点に言及。「約200名の東京採用スタッフが出向し、約2,000名のナショナルスタッフと一緒にお客様をサポートしています」と説明しました。

同社は、2020年7月末、「時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現へ、KDDI版ジョブ型人事制度を導入」というリリースを実施。
これについて武井氏は、
 市場価値重視、成果に基づく報酬
 職務領域を明確化し、成果、挑戦、能力を評価
 Willと努力を尊重したキャリア形成
 KDDIの広範な事業領域をフル活用した多様な成長機会の提供
 「企業の持続的成長」と「ともに働く人の成長」

 という5つの柱に基づいた、プロを創り育てる“KDDI版ジョブ型”の新人事制度の主旨を説明しました。

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グローバル人材強化のための赴任前研修と人材アセスメント活用
 

次に、グローバルにおけるIoT、ICT、(通信)キャリアビジネスといった法人向け事業領域を紹介。これらの業務は東京本社にもあり、国内の社員がグローバルに活躍できる素地があることに触れ、「海外で働きたいというWillを持つ人材を求めています」とコメント。本社よりも少人数の海外拠点では、異文化の中でより広範な業務と大きい責任を担うやりがいがあることを強調し、“グローバルで挑戦し成長するプロ”の集団を目指していることが話されました。

                       出典:株式会社KDDI

続いて、グローバル拠点においては、顧客の属性×サービスの種類×エリアの組み合わせによる多くの領域で専門性を磨けるチャンスがあること、および「KDDIフィロソフィ」や「行動の原則」によって人として成長できる風土について説明されました。
「プロを目指し、人として成長していくことが成果・貢献に繋がるというマインドセットを赴任前研修で伝えています」と武井氏。

その赴任前研修の目的は「現地に立った時から、『垂直立ち上げ』するための研修」であること。
特に、その中でのグローバル・エデュケーションによる「ありたい姿の認識」「自身の能力、コアコンピテンシーの認識」についてのプログラムの重要性が説明されました。
同社では、自身の特性や強みの認識と、人財データの蓄積という2つの目的でPXTを活用。「特に前者において、赴任者に価値を提供しています」と武井氏は言います。海外赴任の内示を受けた際に、不安を感じる社員のほうが多く、そういった人に、自身の特性を知るためのセルフコーチングの材料として提供する狙いがPXTにはあります。

海外赴任者は、PXTの自身のアセスメント結果を用いて、過去の具体的なシーンを想起しつつ自らの思考スタイルや行動特性、仕事への興味を振り返り、自らの能力を棚卸し言語化する意義について言及。

                      出典:株式会社KDDI

一方、4年間で250人分の人財データが蓄積され、赴任者派遣のタイミングでの継続データの取得、人財ポートフォリオの構築、ハイパフォーマーモデルの確立といったグローバル事業マネジメントモデルが構築された意義についても説明されました。

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海外赴任者の成否を分けるキャリア観とは?
 

ここで武井氏の発表が終わり、福島がKDDIの新人事制度のキーワードは「自律と責任」であることに言及。
会社として整備するジョブ型人事制度ですが、個人が自己の責任の下に自律的にキャリアを歩むマインドがあって、初めて成果につながることが紹介されました。

福島は、海外駐在員はグローバルにチャレンジするというポジティブな面がある一方、不慣れな環境で働くことの難しさがあるとの認識を示した上で、うまくいく人材といかない人材の分かれ目について武井氏に尋ねました。

武井氏は、「自分がどうなりたいのかを明確に考え、つくっていける人」と説明。
上長との1on1の中で、ありたい姿と現在の仕事を照らし合わせたり、赴任者が悩んだ時などに武井氏がPXTのレポートを共有しながら1on1を行うなどして、自らの特性と将来ビジョンとの繋ぎ合わせを行う場を設けていることに触れ、アセスメントの効用に言及しました。

福島は、氷山に例えて、水面上のビジネス環境においてチャレンジな状況が生じた際に、水面下の本人の内面を再認識することに武井氏がアセスメントを活用していることを確認。武井氏は「(アセスメントを通じて自分自身のことを)言語化できることがとても大きいと思います」と応じました。

福田氏は、「KDDIの赴任前研修で、PXTにより自分自身を言語化できた効用を明確に感じたことがあります」とコメント。その赴任者が過去うまくいかなかったこととアセスメントの結果が繋がったことを挙げて、次の赴任機会ではうまくいく自信に繋がっていることを表明したエピソードを紹介し、「自分の強みとWillを言語化し明確にする効用をはっきり感じました」と述べました。
「自分の強みに気づいてブレークスルーできた機会」と福島は応じ、自分自身を客観視する重要性に言及。福田氏は、個人は自分がわかっているようでいて自分に関する情報の書き込みを行ってはいないと指摘し、「自分がわかった上で、次にどうしたいかというステップを踏む」と話しました。

当日の動画はこちら よりご覧いただけます。

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2021.3.15 EVENT

グローバル人事の現在(いま)と未来~海外人事調査に基づき、新たな潮流を読む~

ReThink Day4 イベントレポート
HRDグループが毎年開催しておりますAssessment Forum Tokyo」、今回はオンラインに形を変え、コロナ禍に向き合う新しい未来のための価値あるコンテンツを提供する場として開催されました。 経営戦略やDX、グローバル人事など、より広い視点から組織・人材マネジメントについて問い直し、再出発するための一連のデジタルイベントとして多く方のご参加を賜りました。

ReThink第4回目は、「グローバル人事の現在と未来、海外人事調査に基づいた新たな潮流を読む」というテーマで、beyond globalグループの代表である森田英一様をシンガポールよりゲストでお招きしております。
ナビゲーターは、HRDグループ・プロファイルズ株式会社の水谷壽芳が務めます。

☆ゲストスピーカーのご紹介☆
オンライン化することで選択肢の幅が広がった

水谷この度は、Day4にご参加いただきましてありがとうございます。

私は、HRDグループ・プロファイルズ株式会社の水谷と申します。本日は、海外人事調査に基づいた新たな潮流を読むということで、専門家の森田様をお招きして対談形式で進めて参ります。

今回はグローバル人事がテーマです。パンデミックの影響で、様々な変化が地球規模で起きています。この変化に関して、海外人事のみなさまがどう捉えていらっしゃるのかについてプロファイルズ社で事前調査を行っております。この調査に基づいて論点がいくつか浮かび上がっています。森田様にその捉えどころについてのご見解をいただき、そして今後の潮流を読んでいただくというのがこの度の企画の流れになっています。

森田さんは、我々のビジネスパートナーとして取り組みをご一緒させていただいておりますが、現在はシンガポールに拠点を置かれており、日系企業を中心としたグローバル化やグローバル人材の育成、人事制度の変革などを進めていらっしゃいます。シンガポールから見てどのようなことが起きているのかをお話いただきたいと思います。

森田beyond globalの森田と申します。最初に自己紹介をさせていただきます。私は生まれも育ちも大阪で、大学院卒業後、人事コンサルティングの世界に入りました。20年前に、自律型人材育成にフォーカスを当てたシェイクという会社を立ち上げて10期まで社長を務めましたが、その後、2代目の社長にバトンタッチしました。私は現在、beyond globalという企業グループを作り、シンガポール、日本、タイの3拠点で日本企業のグローバル化支援を行っています。その他東南アジア全域やヨーロッパ、アメリカなどのエリアのサポートをしておりますが、中でも日本と東南アジアがプロジェクトとしては多いですね。

我々は、人材育成という側面と人事制度、評価、賃金などの仕組みの部分の両方をサポートしており、幅広い人事評価制度や駐在員の育成はもちろん、ナショナルスタッフの育成、サクセッションプランというローカル化を進めていく後継者の育成も行っています。

コロナ感染が広がる現在、海外の現地法人で多いと感じているのは、人事制度の変革です。ローカル化を進めていく流れですが、これには駐在員がなかなか現地に着任できなかったり、ビザの発行が難しくなってきた状況があります。例えばシンガポールでは、ビザの発行基準の給与水準がどんどん上がっています。過去に無いほどの上昇率で、今は駐在員がビザの更新ができずに止むを得ず日本に戻ったり、新しい駐在員を呼べなくなっています。これは、シンガポール人の給与がカットされ所得が少なくなっているので、シンガポール人の雇用を守りたいという政府の意向もあります。入国困難な中で、ローカルでも回せる人事制度、きちんと仕組み化されたものや成果が見えるものをどう構築していくのか、今までは海外現地法人も含めて仕組みはあったとしても、運用でつまずいているというケースも多かったので、その運用や制度の見直しが非常に増えています。

また、コロナ以前は、リージョンの研修なども東南アジア各国からシンガポールに集めて行うことが多くありましたが、最近ではこれをオンライン化しています。

さらには、これまでは日本の拠点から海外に派遣して日本人向けに海外派遣研修も行ってきました。例えば、ヨーロッパに派遣するビジネスや、経営者候補の方々を新興国に送り育成するようなことです。コロナになってからは、これをオンライン化し先月も大規模で行いました。オンラインで行う利点は、国境を超えて何度でも集まれる、そして費用も安いということです。このようなオンラインでのグローバル研修は、かなり引き合いが増えております。派遣は費用がかかるので、なかなか大人数を行かせることができませんでしたが、オンラインにすることで選択肢の幅が広がり、多くの方がオンラインでグローバルな環境にどっぷりと浸かることができるということが、最近感じている変化です。

水谷ありがとうございます。まさに新しい時代に先駆けて、森田さんは様々な取り組みを行っているという印象を持っております。本日もシンガポールと繋いでいますが、まさにオンライン化が進む中で森田さんをお招きできて、うれしくと思っております。昨年は我々がシンガポールに伺ってセミナーを行いましたが、今回はオンラインで挑戦していこうと思っています。

本日の進め方ですが、事前に我々で海外人事のこれからについて調査を行っています。その調査に基づいていくつか論点が出てきましたので、森田さんが直近で感じていることを惜しみなく皆さんに提供していただきたいと思っております。

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