HRD株式会社 - Human Resource Development

2021.3.12 EVENT

ラーニングのオンライン化のその先、3つの方向性 ~変化が必要なこと(STOP)/新しく始めること(START)/変わらないこと(KEEP)~

左から久保田、辻川氏、小仁氏

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重要なのは、対話と問いの質

久保田ここからはバーチャル環境下における組織づくりと人材アセスメントを用いた学びについて考えたいと思います。

多くの方がリモートで働く現在、空間や時間、家庭環境や機器などが、人によってそれぞれ異なります。例えば、社内のミーティング中に家族が遊んでいたり、お菓子を食べていたりということがあります。これをどうしていくか。最近、オンラインでよく言われるのは、個人が自分自身をマネジメントする必要があるという話。ワークだけではなく、生活も含めて、どのように自分自身でマネージしていくか、それと同時に組織側としても、一人ひとり個別化された状況でどのようにマネジメントしていくかということが問われ、マネジメントが大きく変わってきています。そこで、一人ひとりの内面やモチベーション、能力などを明らかにするアセスメントがひとつの媒介として注目されています。

 
 
人材アセスメントツール、つまり触媒をいかに学びや成長に繋げるのかを考えた結果、私がたどり着いたのが、英語で言うところの「Ah-ha! Moment」です。「そういうことだったのか!謎が解けた!」ということですね。例えば、私たちが扱っているDiSCというアセスメントでは、回答して終わりではなく、ライブで共有することで「そうなのか!」という気づきがあり、それが組織づくりに繋がっていきます。オンラインのライブでもできますが、どうやって非同期型のコンテンツと結び付けていくのかというデザインが難しいと感じています。しかし、それは絶対的に必要です。

例を挙げますが、私たちが開催しているDiSC認定セミナーも、ここ半年ほどはオンラインで実施しています。Zoomを使い、ライブで集まっていただきますが、集合研修をそのまま再現するのは時間的にも難しいと感じたので、時間を短くし、且つただ聞くだけの時間もライブの中では極力排除しようと、先ほど小仁さんからもありましたが、事前の自己学習をしていただき、中間の自己学習として1日目が終わったら、2日目に向けてのインプットをしていただきます。質問等もそこに入れていただくという、フィードバックも含めて行います。終了後はオンデマンドによる自己学習ということで、自分自身のペースで復習もできますし、新たな学びもできます。

特に事後学習において、認定セミナーは比較的コンテンツがかっちりとしていますが、それでも参加者によってニーズが違います。例えば、研修会社の方も認定セミナーに参加されますが、そのような方は「ツールの売り方」を知りたいですし、社内の人材育成担当の方は「研修の進め方」を知りたがっています。そういった個別のニーズというのは、事後学習の中で個別にフォローをしていきます。コロナ前にUMUに切り替えましたが、非常に良いタイミングだったと感じています。

事前に基本の学習をインプットしていただき、ライブではなるべくグループでのアクティビティを中心に展開します。そして「Ah-ha! moment」を最大限に得ていただくようにして、事後学習で復習していただきます。認定テストも設けています。

私たちのアセスメントで「ProfileXT」というものがあり、指標がたくさんありますが、それを動画で自己学習できるようにしています。また、ガイドブックを用意しているので、映像を見たりガイドブックを読んだりすることによってオンライン学習化しています。eラーニングと括っていますが、十分な納得感を得られるという成果も出ています。このような仕組みも私たちはトライしています。アセスメントというのは人の内面なので、どこをデザインするのかは難しいなと思いながら試行錯誤を繰り返しています。

皆さんもおそらく研修となったときに、インプットだけではなく、いろいろな気づきや組織にアプローチすると思いますが、何かヒントがあれば、お二方から教えていただきたいと思います。

【DiSC】 心理学者ウィリアム・M・マーストン博士により提唱されたDISC理論をベースに、1970年代に開発された自己分析ツール。職場で人がどのように自分を認識しどのように行動するかを「D主導」「i感化」「S安定」「C慎重」の4つの行動特性で測定する。著作権はWiley社所有。

【ProfileXT】 人材が組織内の特定の職務にどれだけ効果的にフィットするかを測定するアセスメント。採用、選抜、育成、マネジメント、戦略的な人員配置に活用できる。著作権はWiley社所有。

小仁UMUをこのように使っていただいているということが感動的でした。反対に私から質問ですが、このようにブレンド型で行っていくうえで、納得感を上げていくため、効果的に運営するためのポイントはありますか。

久保田私はアウトプットの線引きが難しいと感じていて、動画を撮り直して入れ替えたりしながら作っています。ポイントがあるとすれば、試行錯誤です。今は動画が簡単に作れるので、とりあえず動画を作ってみます。最初から完璧を求めるのではなく、とりあえずやってみるということが必要だと思います。

小仁:アジャイルでどれだけ作っていけるかですね。個人運営している会社のスタッフがマレーシアとオランダに1人ずついますが、実際にDiSCを使いながら事前に読んでもらい、私が話したオンライン動画を見てもらって、Zoomの中でお互いのことを話してパーソナルな部分を触れあいます。アセスメントが「触媒」であるということについては本当にその通りだと思いました。

私が考えるカギは、「対話と問いの質」だと思います。要するに、コミュニケーションデザインです。動画に対して人が感じることは様々なので、対話をデザインすることでコンテンツやアセスメントがどう活きるかが決まってきて、かつ問いの質がそれを決めると思います。UMUは、問いにこだわりがあります。まさに、どのような一言の問いを入れて、それについて全員が回答するかというところがアートなので、Ah-ha! momentで繋がるというところや、組織でそれがカルチャーになるというところは、対話と問いだと思います。

久保田確かに言われてみると、それを意識しているかもしれませんね。

小仁私はDiSC認定セミナーを受けた側の人間なので、そこで久保田さんから受けた問いがずっと頭の中に残っています。それこそ次の講義を聞いていないほどです。それが良さだと思います。

ここでひとつ、ブレンド型の事例をご紹介します。ブレンド型の設計をするにあたって最高の教材は、現場での実践経験だと思います。現場での実践経験でアウトプットしたものを、Zoomなどで議論するということです。これは集合研修で実施するのは大変ですが、Zoomなどを使えば1時間ほどでできます。もっとも多い事例としては、とにかくeラーニングや集合でやったあとに1時間の対話会を開くというものです。これはとても需要があるので、通年の取り組みにしていて、一切資料は準備しません。反対に準備をすると余計なものが入ります。

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