HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

2022.1.25 事例紹介

「5年で日本一」を目指し誕生した女子ラグビーチーム「PEARLS(パールズ)」
ラグビー界の名将はDiSC®も取り入れる

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DiSC®導入は、メンバーが「必要な議論」さえ避けていると感じたから

そんな中で、パールズがDiSCを導入したのは2021年9月のこと。背景には、こんなチームの課題があったといいます。

「チームは、選手同士が意見や不満をぶつけ合いながら、理解を深めるのが成長のプロセスです。高校ラグビーなら何も言わずともケンカしながら絆が出来るのですが、パールズの場合、選手は自立した大人であり、さらに外国人をはじめ多様なバックグラウンドを持つ選手が多い。そのためどこか遠慮がちで、必要な議論を避けていると感じるときがありました。もっと選手同士が自分をさらけ出して欲しいと」

この課題に対して、DiSCの活用を考えました。DiSCでは、一人一人のモチベ―ションや思考スタイルが明らかになります。すると、選手同士が話し合うときも、目の前の相手がどんな性格や考え方の傾向があるのか、ひとつの情報をふまえた上で話ができます。

仮に強い口調で話す選手がいたとして、この人はそういうスタイルだからと前もって理解できれば「相手への不満も軽減されるはず」と齋藤氏。それは選手同士の議論に対する心理的ハードルを下げるのではと考えました。

「一人ひとりの違いは、あくまで“違い”であって“間違い”ではないのです。多様な考えや思考があることをDiSCで明確に理解すると、選手は自分と違うスタイルの人を思いやり、受け容れられるようになるのではないでしょうか」

ビジネスの世界でも、多様性が重視され、同時にハラスメントが問題視される中で、自分の言葉がもたらすネガティブな影響を過剰に恐れて、発言に気を配り過ぎてしまう、あるいは本音で話せないと感じるシーンは増えているでしょう。本来なら必要な議論さえも避ける時代になりつつあります。

だからこそ「相手をおもんばかりつつ本音を伝えるために、DiSCで多様性を理解するのが効果的なのでは」と考えます。

「教育現場でも、こういったツールを活用して学びの機会を作れれば有効だと思いました。他者を理解したり、思いやったりする心が磨かれるはずです」

齋藤氏のDiSCスタイル。熱意とともに行動を起こし、周囲を巻き込んでいくiスタイル。パールズの創設から現在に至るまでのストーリーそのものでもある

齋藤氏自身もDiSCを行い、自分のスタイルを分析しました。結果はiスタイル。楽観的かつ社交的な傾向があり、人々を励まし、楽しませることを好みます。

ただ、本人いわく「おそらく昔はDスタイルが強かったのでは」とのこと。Dスタイルは、直接的で決断が早く、ストレートに伝える傾向。一方で「強引」に見られてしまうこともあります。

「若い頃を振り返ると、強硬な態度で強引に指導していたこともありました。何というか、無理矢理にでも『はい』と言わせてしまうような。特に朝明高校の頃は、やんちゃな生徒が多かったですからね。自分の経験不足から、そういった指導になってしまっていました」

しかし、経験を重ねる中で、生徒に強引に“やらせる”のではなく、生徒が自分から“やりたい”と思うように、自発的な動機付けで行動変容を起こす指導を意識するようになったとのこと。

「生徒のためを思って毎日同じ指導をしても、効果が見えなかったのです。生徒は私の言葉を聞き『わかりました』という。でも変わりません。なぜなら“生徒のため”と思っているのは私だけで、生徒は言われてやらされているだけだったからです」

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