HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

2021.12.9 EVENT

マイクロソフトはいかにしてカルチャー改革を実現したか 新しい時代における組織・人材戦略を先駆者と共に考える『HRD Next 2021-2022 PROGRAM1 Day3』

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Microsoft社の人事戦略

堀江氏は、まず新入社員向けにMicrosoftの歴史やビジョンを2分弱にまとめた動画を紹介。次に、ピーター・ドラッカーの「文化は戦略に勝る」という言葉を引いてMicrosoftのカルチャー変革を解説した「再起動するマイクロソフト」の題された新聞記事にも触れました。

そして、堀江氏は「企業文化について学んだ10のこと」についての説明を始めました。

出典:日本マイクロソフト株式会社

①「過去を尊重して未来を定義する」
自社には大切にしている「慈善の精神」「よりよい社会のためのテクノロジー」「大胆な志」という過去からの良いカルチャーが息づいていることを紹介。一方で、先の風刺画を再掲し、「革新的な仕事がお役所的な仕事に、共同作業が内部抗争に変わり、共創から落後し始めた」過去も認め、現CEOによるカルチャー変革に繋がったことが話されました。

では、どう変わったのか。堀江氏は「“何でも知っている”から“何でも学ぶ” へ」という変革内容を説明。これをさらに深堀すると、“Fixed Mindset”(固定的)から“Growth Mindset”(成長的/発展的)への変革であることが解説されました。

出典:日本マイクロソフト株式会社

②「絞り込む:シンプルかつ戦略的に」
「大事なことは、シンプルかつ戦略的に絞り込まなければ変革は起こしにくい」と堀江氏。その方法について、専門家を交えたリサーチや「Culture cabinet」といった幅広く声を集めた施策が紹介されました。ここで堀江氏は現在のカルチャーについて言及。“Growth Mindset”の下に、「常にお客様を第一に考える」「ダイバーシティ&インクルージョン」「ワン・マイクロソフト」があり、さらに「大きな成果を生み出す」に繋がっていると説明されました。

ここで、サティア・ナデラCEOが株主総会においてカルチャーについて語っている動画を紹介。3つめの話に移りました。

③「ごまかしはきかない」
トップ自らがカルチャー変革のロールモデルとなって率先し、全ステークホルダーに向けてコミットし、行動することが大事であるということです。

④「目的志向型のミッションを持つ」
堀江氏は、原文の“purpose-driven”の日本語訳である“目的志向型”は、「“会社の存在意義”という意味に捉えている」と前置きし、「この会社は何のために存在しているのかという目的意識を持つことが非常に大事」と話しました。同社の創業時のミッションは「すべてのデスクと、すべての家庭に1台のコンピュータを」というもの。そこから現在は「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」と変わっていることを紹介し、「私たちはこの使命感のもとに毎日ワクワク仕事をしています」と話しました。

日本マイクロソフト株式会社 人事本部 HRコンサルティンググループマネージャー 堀江 絢氏

⑤「大小さまざまな象徴的変化を起こす」
人事制度としてのパフォーマンスレビューのやり方を、互いの足を引っ張り合うことに繋がる相対評価から、「チームワークを通じて様々な成果を出す」といった項目における絶対評価へ一変させたことが説明されました。「こうしたシンボリックな施策だけでなく、社員食堂のコーヒーの紙コップには新たなカルチャーが印刷されているなど、小さな施策も含めて多面的に学び続ける環境づくりに取り組んでいます」と堀江氏は話しました。

ここで堀江氏は、“Growth Mindset”の下に続く「バリュー」を構成している「敬意」「誠実」「アカウンタビリティー」の3項目、「マネージャーに求められること」を構成している「モデルとなる」「コーチする」「ケアする」の3項目、「リーダーシップ原則」を構成している「明確にする」「活力を生み出す」「成功を実現する」の3項目について触れました。

出典:日本マイクロソフト株式会社

⑥「文化を全員に定着させる」
カルチャーは抽象的な話にとどめるのではなく具体的なストーリーとして語ることの重要性が説明され、同社では毎週のリーダーミーティングで1つのケースが共有されていることなどが紹介されました。「カルチャーのモデルになった人を称えるアワードが設けられましたが、中には“リスクテイカー”という失敗した人も称えるアワードまで登場しました」と堀江氏。

⑦「コミュニケーション、コミュニケーション、コミュニケーション」
これほど大規模なカルチャー変革は、浸透するまでに時間がかかるもの。「あらゆる場面でコミュニケーションをとって伝えることが大事で、実際に毎日のようにミーティングなどでカルチャーやミッションの話を聞いています」と堀江氏は話しました。なお、同社では毎年「Microsoft Diversity & Inclusion Report」を発表していることも紹介されました。


⑧「テクノロジーを活用して変化を加速する」
テクノロジー活用方法として、日々の様々な記録や全社員に対する年1回のエンゲージメント調査などの“Keep score”、データを活用して思い込みをなくし、インサイトを得る“Myths and insights”、自社製品である“Microsoft Teams”を活用しての“Collaborate and learn”、全社プラットフォームを用いて大規模に繋がる“Connect at scale”について説明されました。

⑨「全員が漕ぎ手」
会社がカルチャーを掲げても、一人ひとりの社員が実践しなければ無意味。同社では、カルチャーフィットしていないメンバーは、退職することが一つのオプションとなっていることに改めて触れられました。

⑩「常に謙虚で、常に向かうべき道を歩む」
「Microsoftのカルチャー変革は成功し時価総額ランキングは1位になりましたが、それで終わりではありません。常に謙虚にカルチャー変革のジャーニー歩むことを意識して仕事に取り組んでいます」と堀江氏はまとめました。


当日の動画はこちらです

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