HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

2021.11.18 EVENT

経営の未来を創る人材データ活用
新しい時代における組織・人材戦略を先駆者と共に考える
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM1 Day2』

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先人に学ぶ/データ活用の最新アジェンダ

データ活用で伸びているベンチャー

まず、水谷は東氏に「今、議論されているデータ活用はどんなテーマになっていますか?最新のアジェンダを教えてください」と質問しました。

東氏は、データ活用で伸びている海外のベンチャーやIPO企業を紹介。決済×融資のSquare、EC×融資のshopify、医療×SNSのdoximity、BNPL(後払い)×決済のaffirmを説明しました。「後々、溜まったデータを活用して何かを始めるという気運が米国企業にはあると感じます」とコメント。さらに、HRテックにおいて、チャットボットによるコーチングや、1 on 1の際に話題を提供するアプリの例にも言及しました。

さらに両名は米国におけるダイナミックな業界再編の動きに触れ、そのキャッチアップの重要性を指摘しました。

続いて、東氏は「サービスとしてのデータ活用」と「業務革新としてのデータ活用」について説明。

出典:株式会社ブレインパッド

現在、消費者が発生させているテキストや画像、音声などの非構造化データが80~90%を占め、このビッグデータをいかに活用するかが問われていると話しました。一方で、実際はこうしたビッグデータを扱う担当者は極少であり、Excelやスプレッドシートに集計されている“今、そこにあるデータ”からのAI活用による知見や洞察を得ることこそが、多くのビジネスパーソンの目的となっていることと、これを支援するBIツールの進展状況について話されました。

“Small Data Analytics”が現実的

 次に、東氏は「データは“ビッグ”であればいいというわけではない」ことに言及。東氏が企業からアナリティクスツールを使いたいとの要望を受けた際、「どんなデータで何を分析したいのかによってツールの金額は2ケタ変わる」と説明すると言います。そこで、「予測」「要因発見」という目的と、「スモールデータ」「ビッグデータ」というデータの種類によるデータ活用のマトリクスを説明。「“統計的な正しさ”より、日々意思決定を行う大勢の社員の“Small Data Analytics”による“腹落ち感”が組織のデータ活用に繋がるので、経営層を巻き込んだ“小さな成功体験の積み重ね”が大事」との重要なポイントを話しました。

そして、「例えば、消費者のページビューというレコードと、購入というレコードの間には、消費者の様々な行動があります。データサイエンティストは、いろいろなデータを搔き集めてきて、レコードとレコードの間にある情報を埋め、消費者のあらゆる行動を明らかにする分析を行います。これがビッグデータになるのです。Small Dataでも、項目が多くバラエティのあるものならば、これに有効に使えるのです」と付け加えました。

出典:株式会社ブレインパッド

これに対し、水谷は「“データ分析”と聞くと遠い存在のように感じる人も多いでしょうが、そうではなく、目の前の“Small Data Analytics”が現実的とのトレンドにあるということですね」とまとめました。


“共育”と“共創”が重要

次に、水谷は“先駆者に学ぶ”という主旨に戻り、デジタル変革推進に関する、Harvard Business Review誌による“USJは顧客体験をデータドリブンで進化させる”という論文記事に触れました。同記事には成功例ではなく失敗例が書かれており、“回避”という模倣ができることの意義について紹介。マーケッターの視点による『あったらいいな』というデータの取得に時間と労力をかけるのはやめよう」という点や「データドリブンな組織に変革するには、よくできた机上の空論をいくらぶつけても動いてもらえない。経営陣と現場の両方を巻き込んで、強い共感を生み出すことが欠かせません」といった経験を引用しています。

続いて、水谷は自社がブレインパッド社と業務を行った際、人材アセスメントデータはExcelなどで表せる構造化データであり、短期間で示唆を得やすい価値があることを学んだことに言及。東氏は、「非構造データである画像も、コンピュータ的にはピクセル単位で構造化されたデータであるものの、人が分析などを行うのに扱いづらいものであるのに対し、アセスメントデータは即座に分析ができるもの」と評価しました。さらに東氏は料理に例えて「非構造化データは畑から野菜を収穫するところからのスタートであるのに対し、構造化データは必要な野菜がカットされた袋詰め」との比喩で説明。加えて、「人事において、出退勤の履歴データからは何も出てこなくても、日々の行動や評価、スキルなどの様々な材料を集めればいろいろなものが導出できます。その点、アセスメントはいろいろな観点から測定する設計でつくられたものであり、そこからいろいろな結果が出てくるものと理解しています」と話しました。

次に水谷は、東氏が先人から学んだことについて質問しました。東氏は、国のDXレポートに「“共育”と“共創”が重要」と書かれていたことに言及。「データ所有者はテクノロジーがわからず、データ分析ベンダーも気づけないことがあり、一緒にやって『なるほど、このデータはこう使えるのか』と気づくことがDXでは大事」と話しました。また、エジソンの失敗へのポジティブな姿勢を引き合いに、SoE領域での「やってみなければわからない」という失敗前提の取り組みの重要性を話し、「成功の共通要因は、正解を求めるのではなく実践を重視しているところ」と指摘しました。

水谷は、大手企業においては事業部同士で“共育”“共創”関係として失敗の共有化の大切さに触れました。これを受け、東氏は組織間で共有しやすいシステムの必要性を指摘しました。


本対談の全内容をご覧いただきたい方はこちら

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