組織文化の変革と、そこで求められるリーダー像とは
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM3 Day2_Session4』

経営層の関心事項とリーダーシップ開発の課題
ここで遠山氏は、「トップや経営層がよく話題にするのは、この中のどれですか?」との設問を提示。その後、グローバル企業のCEOの結果を示しました。
1. 次世代リーダーの育成 55%
2. 世界的景気後退/成長鈍化への対応 54%
3. 優秀な人材の獲得と離職防止 52%
4. 新製品イノベーションの推進 50%
5. 新しいテクノロジーでの成功 46%
6. 主要な競合他社を業績で上回る 42%
7. 従業員の再教育とスキル向上 35%
8. 説得力のある組織目標をもつ 26%
9. データセキュリティの脅威への対応 20%
10. 新たな法規制の順守 15%
「上位に挙げられているとおり、人材の重要性はますます高まっています」と遠山氏は言い、次のとおり総括として日本のリーダーシップ開発における課題を挙げました。

「リーダーシップ開発の考え方として、すべての能力が備わったスーパーマンになる必要はなく、これからの自社の事業でどんなことが必要なのかを絞り込んだ上で、そこにフォーカスしながら自信をつけていくというのが一つのやり方かと思います」と遠山氏は言います。
「リーダーシップ開発は研修をやればいいという話ではなく、いかにリーダーを選抜し、仕事をアサインし、いろいろなものをインプットし成功体験を積んでいくかということだと思います」と久保田。お客様を支援する中で、自部門だけでなく、関わる部門を巻き込んでリーダーシップを発揮する存在に触れ、「そういった人を動機付けチャレンジさせる環境づくりがぜひ必要だと思っています」とコメントしました。
ここで久保田は、視聴者からの「外部環境の変化が激しいので余裕がなく、年功序列型の人材配置がそのまま続いている」とのコメントを紹介。遠山氏は、「昔は(リーダー育成の)機会がたくさんつくれたが、今はその余裕がなくなっている。育成を意識して別途時間と労力をかけなければならず、その点は難しくなっていると思います」と応じました。久保田は、「シャーマ教授の“Rescale”として、既存のビジネスと改善、新しいことをする時間の使い方に柔軟性を持たせることにリーダーにチャレンジしてもらうといいと思います」と述べました。
次に遠山氏は、経営幹部が直面しているリーダーシップの課題について説明しました。「環境変化に合わせながら取るべき戦略を企業は決めていきますが、それとリーダー像は必ずリンクしなければなりません」と指摘。激しく変化するなかで舵取りを行うために、企業がパーパスをしっかり持つことの重要性に触れるとともに、今のリーダーが直面している課題を次のように表現しました。
「非常に複雑で目まぐるしい環境の中、新たな市場で競争優位に立つために、全く新しい方法でリーダーシップを発揮することにより、今まで行ったことにない猛烈な速さで、組織に変革を起こさなければならない」
