組織文化の変革と、そこで求められるリーダー像とは
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM3 Day2_Session4』

5つのメガトレンドと、今後3年間より重要になるスキル
遠山氏は次に、今回のGLFで
「変革を推進」「燃え尽き症候群への対応」「つながりを切望」「デジタルワークの促進」「優れた人材の定着」
という5つのメガトレンドが確認できたことを提示。変化の時代にリーダーは製品・サービスのイノベーションなど変革を推進する任務が課せられていることが重要なテーマとなっています。そうした中で、メンバーやリーダー自身も疲れ果て、バーンアウトしていることも浮上。また、リーダーは管理業務に時間を取られ、上司やメンバーとの会話に十分な時間が取れていない様もわかります。DXの重要性はわかっていてもデジタルスキルに自信が持てていないこと、優秀なリーダーが育ち定着させるために何が必要かといったテーマも大きなトレンドになっています。

「変革を推進すればバーンアウトしがちとなり、それを防ぐためにもデジタルワークの中で繋がりをつくる必要があり、そうしないと優秀な人材は離れていってしまうと、これら5つの要素は全部繋がっています。
また、『HRD Next 2021-2022』の各セッションでも度々言及される心理的安全性や個人の感情への配慮といったことにも繋がっています。」と遠山氏。
久保田は、転職意向度が上がっているとの調査結果があることを指摘し、「優れた人材をデジタル環境の中で定着させるためのバーンアウト対応などは重要なトレンドだと思います」とコメントしました。
次に遠山氏は、「リーダーが想定する今後3年間より重要になるスキル」の調査結果を提示。重要度の高低と現在の準備度の高低によるマトリクスを示し、いずれも高い「継続的な能力開発が必要」なものは「コーチングと権限移譲」「パートナーシップの構築」「共感」があります。「一方、人事は『共感』は不足していると捉えているデータもあります」と遠山氏。
重要度が高く準備度が低い「喫緊の能力開発が必要」なものは、「将来を担う人材の特定と育成」「変革の推進」「戦略的志向」「影響力」。また、重要度・準備度いずれも低い能力としては、「リモートチームの主導」「インクルージョンの推進」「ビジネス手腕」「様々な世代の主導」が並びます。「調査時期がパンデミックの始めの頃なので、今調査すれば『リモートチーム』などは『喫緊』に変わると思います」と遠山氏は補足します。
久保田は、「『喫緊』のところは、まさしく『HRD Next 2021-2022』の各セッションのゲストスピーカーの企業が実践しているところ」と指摘しました。

次に遠山氏は「エンゲージメントを高めるための7つの要素」を提示。
1. 優れたパフォーマンスを上げるための要素が何かを知っている
2. 将来のキャリアパスを明確に理解している
3. 上司が自信のウェルビーイングに配慮していると感じている
4. 質の高い能力開発計画をもっている
5. 上司から効果的なコーチングを受けている
6. 自身のスキルに関するフィードバックを受けている
7. 業務を円滑に遂行するために必要な情報やツールを利用できる
「優秀な人材を定着させるためにもエンゲージメントが必要で、個人のキャリアをどう考えているかを組織が示し、実際に質の高い能力開発施策が提供されていることが重要」と遠山氏は指摘します。