HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

2022.4.20 EVENT

流動性組織:未来の企業競争力は「流動性」が決する
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM3 Day2_Session1』

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流動性を高めるための3つの“R”


「最後に、既存ビジネスから離れてAmazonやGoogleのやっていることをしたければ、極めて高い流動性が必要」
と指摘します。

流動性を高める、3つの“Re”


では、流動性を高めるにはどうすればよいのか。
“Restructure”(再構築)、“Reskill”(再教育)“Rescale”(再拡張)が必要と言います。

Restructure”は、機能、顧客、階層の境界を減らすこと。品質などの問題発生時における米国の単一スキルによる製造ラインと、日本の多能工による違いを説明しました。こうしたチームを製造だけでなく様々な現場に導入し、コスト削減などに繋げた例はたくさんあります。
このチーム構成は、境界を越え、自己管理し、スピードを上げ、最高の人材を集めて互いに学び合うことでゼネラリストになり、マネージャーはチーム統率に専念します。

機能的な境界を減らすためにも“Reskill”が必要で、ダイナミックな学習能力が注目されています。深いスキルを持つ“I型”に対し、柔軟性を持つには“T型”のスキルが必要。1つの領域の専門性とともに、隣接する領域にもアプローチするという能力です。マーケティングの人が営業やCSの専門知識を持つといったことです。最終的には、“拡張T型スキル”、つまりテクノロジーの使い方を知り、よりイノベーティブになることを考えます。

最後に、“Rescale”。自社と他社の境界をどう減らすか。どう階層的思考を減らし、戦略的な動きに繋げるかということです。これに成功している企業は、アウトソーシングやインソースを実践しています。ほかのプロの企業を探し、製品を提供させる。多くのゼネラリストを再雇用し、イノベーションの時間を確保する。顧客や競合他社に関する知識や知財を調達する一方、ほかのものは外部に委託する。そして、社員に対し、より高いレベルの思考に時間を使わせます。プロセスを改善し、革新的なソリューションを使って戦略を立案するのです。

予算も既存ビジネスの運営からビジネスの成長やトランスフォーメーションにシフトさせます。

会社を流動的にしようとする時、従業員はエンゲージメントされないことになります。従業員の約15%は変化に焦点を当て、60%は変化を受け容れ、25%は変化に抵抗します。「日本企業の場合は変化への抵抗は少ないかもしれませんが、制度的な問題とならないよう対処が必要です」とシャーマ教授は指摘し、プレゼンテーションを終えました。

リーダーが変革を起こすための最良の方法

ここで、韮原は次のようにシャーマ教授に質問しました。

「日本企業は、以前は変化への適応が得意だったという指摘でした。しかし今、多くの企業幹部がマインドセットや能力をどう変えて、個人目標と戦略的な組織目標を整合させるか、といった組織と人財の変革が難しいと本カンファレンスで話しています。組織や人事部門のリーダーが変革を起こすための最良の方法は何でしょうか?」

これに対し、シャーマ教授は次のように回答しました。

「日・米・独が競合していた時、エレクトロニクス分野ではパナソニックとソニー、RCA、フィリップスの中でソニーが勝ちました。ソニーのスピードが速かっただけです。しかし、現在の競争においては、技術の劇的な進化により、スピードを上げる要件が劇的に変化しました。そのためには組織を変える必要がありますが、ソニーはそれに成功していません。『PS5』は最も成功した先端的な製品ですが、組織を整理、再編成する必要があります。2つめの問題として、平均年齢50歳の会社で競争しているとします。50歳は学習意欲が低下した状態。Googleの平均年齢は32歳ですが、経験が少なく利用可能なあらゆるものを必死に探索している人と、常に境界をつくろうとしている人との違いは明白です。
 したがって、最初にやらなければならないことが2つあります。
まず、若い人を採用すること。次に、専門分化からゼネラリストにシフトすること。複数の分野で経験を積んだ人材の獲得です。最後に、従来の組織運営を捨て、若い組織を運営していくことです。
 私がインドのスズキの工場に行った時のこと。人事制度もマーケティングも旧来的でしたが、インドで車を迅速に開発するために、次世代の要件を考える独立した若いチームが新たにつくられていました。うまい方法です。組織全体を何とかしようとするのではなく、小さい組織をつくるわけです。そして、自分はどれだけ流動性があるのかを自問しなければなりません」

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