HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

2022.4.20 EVENT

事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM3 Day1_Session2』

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いま考慮すべき外部環境の変化

こうした経営戦略策定におけるポイントを踏まえた上で、実際にいま起きている外部環境の変化に目を向けてみましょう。今の外部環境の変化として、韮原は「破壊的新技術」「不安定な地政学」「強化される政府規制」の3点を挙げ、これらの変化を見極めながら経営の舵取りを行う重要性を指摘しました。

① 破壊的新技術
    ◇踊り場を迎えたAI基礎技術の深化◇ 

「現代のAIは限界に直面しています」と韮原。大量のデータがなければならないこと、そのために学習による計算コストが膨大なこと、それだけ学習しても想定外のケースの振る舞いが読み切れないこと(テスラのオートパイロット事故など)、判断結果の理由がほぼブラックボックスであることを理由に挙げています。

こうした課題に対応するため新たに提唱され始めている試みとして、韮原は“第4世代AI”を紹介しました。AIに知識を授けることで賢くなり診断ができるという言語・記号処理による探索ベースの第1世代(1960年代~)、機械に知識を教え込めば人工知能ができると考えられた、ルールベースの第2世代(1980年代~)という流れがあったところに、ニューラルネットワークやパターン処理による機械学習ベースの第3世代(2000年代後半~)が登場。この2つの流れを融合したものが第4世代で、現在のAIの限界を突破するアプローチとして、国内外で提唱されています。

以上を踏まえてAIの長期的な技術トレンドに関する予想と経営者が考慮すべきこととして、韮原は次の3点を指摘しました。

 閃きや直感などを持った次世代AIのブレークスルーは20~30年ぐらい先ではないか
 それまでの間、第3世代AIの実装がパラダイムとして続く
 したがって、世界のどこかで自社のビジネスを脅かす破壊的な企業がすでに片鱗をのぞかせている可能性に
     注意していけばよい

    ◇Web3とメタバース◇ 

「A Iだけでなく、インターネットも次世代に向かっています」と韮原。ホームページや検索など“掲載”がテーマの“Web1.0”、SNSや動画配信など“共有”がテーマの“Web2.0”に続いて、今起きているのはブロックチェーンや暗号通貨など“分散化”がテーマの“Web3”。この背景には、GAFAなどによるデータの独占が挙げられます。一方、AR/VRという技術を用いてメタバース市場が勃興する兆しがあります。

「これから要素技術をつくる第4世代AIより、既存技術をサービス化・エコノミー化する段階にあるWeb3やメタバースの方がより早く進展すると考えられます。こういう変化を押さえた上で、戦略や組織・人材について検討すべき」と韮原は言います。

② 不安定な地政学
    台湾有事の可能性とロシアによるハイブリッド戦inウクライナ◇ *
                         *本セッションはロシアによるウクライナ侵攻前に行われました。

現在、中国が台湾へ進攻する可能性やロシアによるウクライナ進攻の可能性が高まり緊張が増している、と指摘します。これらの有事が起こるとサプライチェーンが大きく混乱するリスクが高まります。実際に起きてから対応するのでなく、起きた場合にどのような経営環境に見舞われるのか「シナリオプランニング」を行って備えるべき」と韮原は指摘します。                        

③ 強化される政府規制
    ◇カーボンニュートラル規制とWeb2ジャイアント企業への規制◇ 

この2年間は、コロナによる政府の規制で飲食業や観光業が大打撃を受けました。今後、2050年のカーボンニュートラルに向けての規制が自動車産業などへのリスクファクターとなったり、GAFA/BATHなどのテックジャイアントに対する規制や個人情報保護の規制の影響を受ける可能性が増したりすることになります。日本の政府機関別の規制数を見ると、公正取引員会や個人情報保護委員会に関するものは国土交通省や厚生労働省など既存の規制産業に比べて100分の1以下であることがその傍証です。

これまでの内容を踏まえ、「現在の経営環境の特徴は、不確実性の高さ、変化のスピードが極めて高いこと」と韮原はまとめました。

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