HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

2022.4.12 EVENT

企業変革を加速させる組織と人材の力
—事業成長に合わせて組織と人材像を再定義するための方法—
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM3 Day1_Session3』

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“総論賛成・各論反対”から“総論賛成・各論賛成”へのプロセス

ここから、西氏の発表内容について田渕氏との対話に移りました。

田渕 西さんはいろいろな企業の組織人事コンサルティングをされていると思いますが、この1~2年のコロナ禍によるリーダー層の変化を感じることはありますか?

西 特に感じるようになったのは、対話の重要性です。それまでは職場で何気なく対話ができていたものが、意図的に行わなければならなくなったからです。放っておくと遠心力が働くので、対話の機会をどれだけつくり出して組織の求心力を高めるかが重要になったということです。そういうことが得意な人が事業を成長させることができていますし、できない組織はパフォーマンスが落ちているというのが顕著になっていると思います。

田渕 エンゲージメントを強化し関係性を再構築するという話がありましたが、コロナでリモートなどが増えると難しくなっていると思います。そこで、企業はどんな工夫をしていますか?

西 まず思うのは、難しくなっているのはコロナのせいではないということ。そういった課題がある企業はコロナの前から課題があり、コロナで顕在化しただけだということです。それを変えていこうとする時に、可視化が大事だと思います。組織の状態は感覚的にしか捉えられないからです。それをどう数値化し見える化するか、その上で組織の全メンバーが当事者としてどう良くしていくかを考えることが成功のポイントだと思います。上層部が考えて「こうしろ」と言うのではなかなかうまくいかないということです。

田渕 そういう場合も、上層部とメンバーとの間で課題の認識がかなり違って難しいのではないかと思います。

西 360°サーベイと同じで、上層部は聞きたくない情報があるんですね。「そんなことを思っていたのか」と受け入れられない人もいます。組織の状態は体重と同じで、100㎏の人が1週間後に50㎏にはならないんです。せいぜい95㎏ぐらい。こうした状態を何度も聞かされていく中で受け容れていくわけです。これを受け容れられないのはリーダーの責任なので、その場合はリーダーを変えるしかないと話しています。上層部が変わらないと組織は変わらないからです。よく「組織はリーダーの鏡」と言っていますが、挨拶をしない組織は、得てしてリーダーが挨拶をしていないものです。

田渕 製薬会社のケースで、若手の発掘や起用を促進させていくことを“総論賛成・各論賛成”にするまでのプロセスの中で、どういうところに一番時間がかかり、腹落ちさせるのが難しかったのでしょうか?

西 まず、“総論賛成・各論賛成”にするための条件出しをしてもらいました。すると、「決定後2か月後に人材を出せとは言わないでほしい。1年後とか、中長期的なスパンでなら出す」とか「出したはいいが活躍しない場合は戻してほしい。出しっぱなしではなく、状況を教えてほしい」といったことを洗い出してもらい、運用ベースに落とし込むことをしました。

田渕 個人のデータをBIツールで見える化する際に、データ化そのものに時間をかけないようにする取り組みもされていたかと思いますが、いかに運用に乗せて人が動き組織が活性化し答えが出るまでに時間がかかると思います。

西 その通りです。この会社の場合は、人財開発委員会にかける人材を選抜し、まず育成現場に送ってもらうのですが、以前はそもそもいい人材を送り出してもらえなかったという問題がありました。そこを議論して、どういう人材がいいのかを可視化し、そのいい人材を育成に送り出すべきという考え方に変わっていきました。ですので、今後はいい方向に変わっていくと期待しています。

田渕 自分自身も経験したことですが、自分の感覚が合っているかどうかをアセスメントで把握し周囲と合わせていかなければならないと思っています。そうでないと、一人よがりの人材の囲い込みみたいなことが起こると思います。

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