HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

2022.4.12 EVENT

企業変革を加速させる組織と人材の力
—事業成長に合わせて組織と人材像を再定義するための方法—
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM3 Day1_Session3』

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組織と人材像の再定義:組織変革の全体像と事例

次に、西氏が支援事例や直面している状況を通じて、事業成長に合わせて組織と人材像を再定義するための方法についてのプレゼンテーションを行いました。

 企業を取り巻く環境変化 
まず、世界の不確実性指数が1980年頃から現在まで4倍ほど高まっているとともに、その波の高低差が激しく多頻度で起きていることを紹介。「100年に一度の危機が毎年のように起きているような状況。こうした変化に対応し続けることが企業が生き残っていける一つのポイント」と説明しました。企業が対面する環境変化として、グローバル化、デジタル化、ESG対応、70歳定年による働く価値観の変化、およびコロナ禍によるNew Normalへの対応を挙げています。

こうした変化の特徴として「すぐに変わる」「変化の振り幅が大きい」ことを挙げ、「時間をかけて戦略を立案しても変化に間に合わないことも多く、戦略を急速に変化させるとともに、戦略変化に柔軟に対応できる組織能力を持つほうが真の競争優位性の源泉となると考えられます」と指摘しました。

 組織変革の全体像 
次に西氏は変革の全体像を提示。まずは「何のために事業を行っているのか」という北極星たる存在理由を確認するパーパスを定める必要があります。これに基づいて、コーポレートガバナンスおよび“人”と“金”を動かしていくタレントマネジメント、ポートフォリオマネジメントを策定します。「これは中枢部が決めて動かすよりも、事業部門に権限移譲し判断させるべきであり、事業部門長が事業部を経営していく形にしなければ変化のスピードに追い付けなくなると思います」と西氏。事業部門として、「両利きの経営」などでの事業構築や、ビジョンの構築やデータ、技術を活用しての価値創出活動、ジョブ型への対応といった組織構築を行います。「こうした組織づくりのためにタレントマネジメントが重要になってきています。一方で、“側”だけ設けてもだめで、個々のメンバーがしっかりコミットする組織にならないと強くなれないと思います」と西氏は指摘します。そのためには、何かの考え方を一方的に落とし込むのではなく、社員と会社はお互いに選び選ばれるフラットな関係として、対話を通じてエンゲージメントや一人ひとりのパーパスとのすり合わせを行い関係性を再構築していくことが求められます。

                    出典:株式会社グロービス

こうした時代に求められるリーダー像として、成果を出せるのは当然のことで、「方向性(ビジョン)とストーリーから共感をつくれる」「社会価値の実現に向け多くのステークホルダーを巻き込める」「オープンでフラットなスタイルで多様性を加速できる」「事業のスピードを高速で回せる」といった要素を挙げました。

                    出典:株式会社グロービス

 製薬会社の支援事例:人材の可視化と多面評価が重要なファクターに 
「こうした全体像の中で、企業によってどこを中心にやっていくかという問題」として、西氏はある製薬会社の支援事例を紹介しました。
支援施策で目指したこととして、「部門ごとに異なる人材選抜についての考え方を揃える」「事業部が人材を抱え込むことによる、全社タレントマネジメントの総論賛成・各論反対を乗り越える」の2点を紹介。

                    出典:株式会社グロービス

これを遂行する上での難所として、「配置に人事が関与できない」「有望な人材を部門内で抱え込む」「役員間で人を見る基準がバラバラ」「対象者が異動に前向きでない」ことを挙げました。「部長レベル以上を動かすことはある程度できても、変化スピードを上げる上では若年層のタレントマネジメントが重要」と西氏は指摘します。部門を超えた多様な経験を積ませて鍛えるための配置が不可欠だからです。しかし、そのためのポテンシャルのある人材を発掘することや、上司だけでなく多様な視点で評価しシステマチックに管理することが難点でした。「そこで、人材の可視化と多面評価が重要なファクターとなりました」と西氏は言います。

                    出典:株式会社グロービス

そこで取り組んだ内容としては、選抜人材のキャリア研修の受講による経験の棚卸や今後のキャリア意向の抽出、人事による人材の多面的な見える化、各本部長による将来的な経営ポジションの洗い出しや要件出しなどを行った上で、人材の正しい配置を議論するための人財開発委員会を年3回程度開催する運びとしました。

                    出典:株式会社グロービス

大切にした3つのポイント
こうしたファシリテーションを担ったうえで西氏が大切にしたポイントとして、次の3点を挙げました。
① 人材データベースの構築支援:業績数字だけでなく経験の可視化や資質の洗い出しを重視
② 対象者へのキャリアセッション:各自の方向性とキャリアを繋げる施策の理解
③ 人財開発会議企画サポート・ファシリテーション:“総論賛成・各論反対”から“総論賛成・各論賛成”に持っていくルールづくり、意見交換の土台づくり

                    出典:株式会社グロービス

配置案の決定方法としては、パフォーマンス、ポテンシャル、職務経験、キャリア意向の4要素から多面的に対象者を把握すべくキャリアシートに整理し、直接本人を知らなくても議論ができるように可視化。BIツールで見やすくする工夫も行いました。

同社のアセスメントにProfile XTを採用した理由として、配置に繋げるためのジョブマッチ機能、プロ講師による本人への丁寧なフィードバック、プロファイルズ社が企画の壁打ちから参加する共創パートナーとしての伴走というメリットを挙げ、プレゼンテーションを終えました。

                    出典:株式会社グロービス

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