HRDNext経営戦略策定の手引き事業×組織×人材の戦略統合による新時代の企業成長論
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HRD株式会社 - Human Resource Development

2022.4.11 EVENT

「ザ・ベスト リージョナルバンク」の実現に向けた事業進化の轍
—経営環境の変化をチャンスとする組織・人事戦略—
『HRD Next 2021-2022 PROGRAM3 Day1 Session1』

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<後編>
人事領域におけるデータ活用

次に水谷は、「投信のパレット」のようなデータ活用を人事領域においても行っていることについて尋ねました。

五島氏は、人事制度の見直しについて説明。従業員一人ひとりを理解し活躍のフィールドを整える柱として、「人事評価制度の見直し」「スペシャリストコースの新設」「管理職の登用・配置を行いやすくする資格統合」を挙げました。これに当たり、個人を把握するために「Profile XT」(PXT)と「CheckPoint360°」(CP360)を活用していることに触れました。

PXTは人と職務のフィットを測定するアセスメントで、CP360は普遍的なリーダーシップコンピテンシーを測定し行動変容に導くリーダーシップサーベイです。同社にはPXTに1,286名、CP360に315名が回答したデータが蓄積、これを活用したパフォーマンスモデルを作成し、適合した人材を適性と経験のマトリクスの中から見出して優先順位をつけながら配置をしていくという人事を行っています。

また、同社では一人ひとりをよく知るための個人プロファイルシートを作成。PXTや360度評価の結果、キャリア志向や経験・適性(ポートフォリオ)、人事評価などを記載。これを育成や登用・配置などに活用しています。

                    出典:ふくおかフィナンシャルグループ

水谷は、ホールディングスとしてグループ企業の全従業員のプロフィールをPXTやCP360などのツールを用いながらデータとして把握している点は、「商品のデジタル活用と併せてアーリー・アダプターであると思います」と述べました。五島氏は、「データだけで決めるということはないものの、ツールが加わったことで人事の運用にバリエーションが増すように思います」と話しました。

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人事データの機能と活用

ここで水谷はデータの機能と活用について言及。ビッグデータは天気予報などに用いられ、その分析結果について人は疑問を持つことなく傘を持って家を出るといった行動に繋げている一方、PXTやCP360などのスモールデータはそれ自身で何かを判断するというよりも、そのデータから本人や周囲が何か気づきを得たりすることに役立つと話しました。五島氏は、この場でサンプルとして表示した自身のPXTの結果について「割と当たっていると感じましたが、組織従順性が1よりに出ていて、複雑に感じました」と打ち明けると、水谷は「“いい悪い”ではなく、組織従順性が1よりであれば、これまでのルールにそのまま従うのではなく、ルールを創り出すという環境に心地よさを感じることができる、といった特性があります。アセスメントユーザーの皆様には日ごろから、スコアそれぞれに強みがあると話しています。五島さんのようなお立場の方がPXTスコアを開示いただくことは、オープンな組織形成に好影響をもたらします」と話しました。その後更に、水谷は五島氏が自らのデータを開示したオープンな姿勢による風土づくりへの好影響について触れた後、PXTのスコアと、経営者として創造期、成長期、変革期のいずれかにフィットする資質を示すという関連性があり、五島氏のスコアは変革期のリーダーであることを示していると述べ、「妥当性が検証できました」と話しました。さらに「蛇足ながら」と断った上で、五島氏の「エネルギー」のスコアが高くエネルギーをマルチに使うタイプであるところから、五島氏が学生時代に軽音楽部でドラム演奏を嗜んでいたことを紹介し、五島氏の人柄に触れました。

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好奇心の重要性について

次に水谷は、HRDグループのホワイトペーパーにも示されていることとして、外部環境変化がスピードアップし、組織として学習する、あるいは個人の経験を次に生かすことがますます求められる時代になり、個人の興味や好奇心がますます大切になっているとした上で、五島氏に好奇心の重要性について尋ねました。

五島氏は、「デジタル技術をはじめとする専門性が重視されているものの、専門性だけを追求していればいいわけではなく、いろいろなものに興味を持ち複数のタスクをこなすといったほうが人材は育つと思います」と指摘しました。それに対し水谷は、FFGの場合は金融以外の領域にも関心を持つことを指すのかを問うと、水谷氏は「大きく言えば、仕事以外のボランティア活動や趣味も含めてのこと」と回答しました。

水谷は、ある経営コンサルタントに同様に好奇心について問うた際に、ホワイトペーパーでは好奇心の“強さ”となっているものの、これからは好奇心の“幅”と“深さ”が大事になってくるとの指摘を受けたことを紹介し、五島氏の意見と一致していることに触れました。

次に水谷は、事業環境の変化に人事も寄り添う必要があるとした上で、これからの人事機能への期待について五島氏に尋ねました。五島氏は、「人事は企業の中で最も重要な機能であると思われているでしょう」と前置きした上で、「それをいかに経営ダッシュボードで把握しながらやっていくかが重要で、人事情報の定量化や定性情報の見える化によって顧客接点との相関なども見えてくると思います。こうした“見える化”が人事の機能としても重要になると思います。エンゲージメントも丁寧に見ていく必要があるでしょう」と話しました。

「経営の羅針盤となるダッシュボードを備えることが重要であり、我々に対する期待も深まっていると感じました」と水谷は応じました。

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